石川県2年連続ベスト4という輝かしい成績の影で。

東京国体(第68回国民体育大会)サッカー競技成年男子において、石川県は3位決定戦で岩手県に破れ惜しくも入賞は逃したものの、2年連続ベスト4という輝かしい成績を残した。
私自信、国体石川県チームは5年間見続けているが、毎年選手が入れ替わる“寄せ集め”チームでありながら年々実力をつけ、今年の優勝チーム(岐阜県)を準決勝であと1歩まで追い詰めるまでに成長した。
この大会で“昨年超え”を目指していた中野監督は結果に納得していないようだが、本当に素晴らしい誇るべきチームだと思う。



しかしこの大会において気になったことがいくつかあった。
せっかくの好成績に水を注すようなことかもしれないが、あくまでも個人的な意見としてご容赦いただきたい。

まず、チーム構成。
今年の石川県チームは、2つの大学と2つの社会人チームからの選抜メンバーで構成されている。年齢も19歳〜27歳と幅広く、石川県を代表するにふさわしい選手たちだ。
ところが、他都道府県チームには地域リーグ等へ参戦しているチームがそのまま出場している「単一チーム」もある。今年の出場チームでは、単一チームが5チーム、単一チーム+アルファで構成しているチームも含めると、出場16チーム中半数以上の9チームにも上る。
もちろんこのようなチームは規定で認められているので出場自体には何の問題もない。しかし、個人的に少し違和感を感じてしまうのだ。
それはチームを作り上げる目的の違いなのかもしれない。先述の通り、石川県はこの国体にあわせて選抜し構成したチームだ。
一方、単一チームの多くは、将来JFLやJリーグ入りを目指しているチーム。中には、国体で優勝することを目標に立ち上げたチームもあるようだが、それでも普段は都道府県リーグや地域リーグなどで常に行動しているチームには違いない。
日頃からひとつのチームとして練習しているチームと、石川県のように国体に出場するためだけに集められたチーム。どちらが有利かは論議するまでもないだろう。
(ちなみに石川県チームが準決勝で敗れた相手も、3位決定戦で敗れた相手も単一チームだった。)
言いたいのは、決して単一チームでの出場が悪いということではなく、違う目的で構成されたチームが、都道府県代表として同じ土俵で戦うことにどんな意味があるのかということだ。
サッカーには、高校から出場資格がある天皇杯という大会がある。そこでは、日頃のカテゴリーを越えて日本一を目指して戦うことができる。出場資格は、都道府県予選を勝ち抜いた代表チームとJFL特別枠、それとJリーグのチームだ。さすがに、国体にJリーグのチームは出場できないが、国体がそれに近い大会である必要もないし、あってはいけないと思う。
時代の変遷とともにサッカーを取り巻く環境も変化してきている。それに合わせ、国体への出場資格を一度見直すことも必要なのではないかと思う。

次は、試合日程・運営について。
国体はサッカー以外にも数多くの競技が行われるため、ひとつの競技に多くの日程をあてることができないのはわかっている。
だからといって、1回戦から決勝まで1日の休養もなく行うことが正しいと言えるのだろうか。
出場チームは、各地区の予選を勝ち抜き、本戦までチーム練習を積んできた。ここで日本一になるために。
だとすれば、選手たちに最高のパフォーマンスを発揮できる場を提供することが運営側の責任なのではないだろうか。
それができないにしても、なぜ決勝戦が平日なのかも理解に苦しむ。
今年の決勝は、開催地である東京都と岐阜県の対戦だった。
正直、前日の準決勝で東京都が勝ったと聞き、ほっとした。それは、石川県の3位決定戦の相手が東京都でなくなったからだ。サッカーの試合はメンタルな要素も大きく影響するため、大アウェー状態で試合することがいかに大変なことになるかは容易に想像できる。ところが、決勝戦の東京都の応援は目を疑うほど少なかった。おそらく多くても2〜3百人くらいだろうか。それは平日だったことが影響していることは誰の眼にも明らかだ。
もともと入場料は無料なので、収入に影響は出ないにしても、あまりにも寂しい決勝戦で、ホームアドバンテージを生かしきれなかった東京都はその影響からか準優勝に終わった。

運営でもうひとつ気になったのは、ホームとアウェイの区別をはっきりつけてなかったこと。
入場口の案内テントには小さな紙で書かれてはいたものの、運営ボランティアの方に試合後聞いたところ、はっきり区別するよう指示がなかったようだった。
そのため、アウェイ側の得点にホーム側から歓声があがるなど通常の試合では考えられないことがおきていた。
この試合では、決勝での東京都の応援と思われる小学生が数多く来ていた。
この小学生たちは、ホーム側に座っていたのだが、3位決定戦ではホーム側の石川県ではなくアウェイ側の岩手県を応援し、得点のたびに大きな歓声を上げていた。もちろん、その小学生たちはホーム/アウェイなどわからずに応援していたのだろうが、ホーム側を応援している者にとってはとても不愉快であった。
そしていざ決勝。東京都はアウェイ側。それでも移動せず応援し続けるため、対戦相手である岐阜県の応援団の中には怪訝そうな顔で見ている方も見受けられた。
この大会にボランティアとして参加された方には本当に頭が下がるが、せっかくならサッカーという競技をもう少し理解して運営にあたってほしかったと思う。

以上、あくまでも個人的な観戦者目線でのこと。
実際にプレーした選手やスタッフは違う感想を持っているかもしれないし、運営に携わった方々を非難するつもりもない。
しかし、ひとりのサッカーを愛するものとして、あえて苦言を呈させてもらった。

◎東京国体サッカー競技 成年男子 最終結果
 優勝/岐阜県(初優勝)
 準優勝/東京都
 3位/岩手県
 4位/石川県